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手術後の療養生活
について

公開日:2015年8月7日
更新:2023年12月
監修:近畿大学医学部外科
乳腺・内分泌部門 教授
菰池 佳史 先生

手術後の療養生活

乳がんの手術後には、筋肉やわきの下の皮膚が縮み、腕があがりにくくなったり、肩が動かしにくくなったりするため、日常生活の中で、下記のようなときなどに不便を感じることがあります。

日常生活の中で不便を感じるとき

食事をするとき
髪を洗うとき、髪を結うとき
着替えるとき
顔を洗うとき
背中や手術をしていない側の肩を洗うとき

しかし、腕や肩が動かしにくいからといって動かさないでいると、関節や筋肉の動かせる範囲が狭くなってしまいます。手術前の腕や肩の動きをとり戻すためには、リハビリテーションを積極的に行うことが重要です。リハビリテーションの実際については、次のページで紹介します。

また、よりよい療養生活を過ごすために、退院後には以下のことに気を付けて生活しましょう。

退院後の注意点

●定期的な診察には必ず行きましょう
定期的な診察には必ず行き、術後経過について異常がないかを確認しましょう。

●月1回の自己検診は欠かさずに
自己検診を行い、乳房に異常がないか、自分で調べましょう。
患者さんご自身が異常に気付く場合も少なくありません。

●手術後の妊娠は医師に相談
妊娠を希望する場合は、主治医に相談しましょう。
薬物療法中(抗がん薬(抗がん剤)、ホルモン剤、分子標的治療薬)は妊娠を避ける必要があります。

●薬の飲み忘れに注意
お薬は主治医の指示に従って必ず服用しましょう。
飲み忘れた場合の対応をあらかじめ医療スタッフと相談しておくとよいでしょう。

●禁煙しましょう
喫煙は、乳がんの危険因子であることがわかっています。
健康維持の観点からも、禁煙を強くお勧めします。

●肥満を避けましょう
肥満は乳がんだけでなく、生活習慣病などの危険因子でもあります。
適正体重を保ちましょう。

●適度な運動をこころがけましょう
1時間程度の無理なく継続できる運動は再発予防につながる可能性が示されています。
ストレスの解消や適正体重の維持のためにも、努めて時間をみつけて運動する習慣を身につけましょう。

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監修者略歴

近畿大学医学部外科
乳腺・内分泌部門 教授
菰池 佳史(こもいけ よしふみ)先生

  • 1990年3月大阪大学医学部卒業
  • 1990年7月大阪大学医学部付属病院第二外科(現病態制御外科)研修
  • 1991年7月吹田市立吹田市民病院外科 研修
  • 1994年6月大阪大学病態制御外科 研究生
  • 1998年3月大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科
  • 2012年4月近畿大学医学部外科 乳腺・内分泌部門 教授
  • 【所属学会】
  • 日本乳癌学会
  • 日本外科学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本臨床腫瘍学会
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
  • 日本臨床外科学会 など
  • 【認定】
  • 日本乳癌学会専門医・指導医
  • 日本外科学会専門医
  • 検診マンモグラフィ読影認定医(B)
  • 日本乳癌学会評議員
  • 日本乳癌学会専門医制度委員会