副作用対策監修:北海道がんセンター 玉木慎也先生

  • 副作用に上手に対処するために
  • 化学療法の副作用
  • ホルモン療法と分子標的治療の副作用
公開日:2014年6月30日

副作用に上手に対処するために

副作用について

乳がんの治療では、進行や再発を抑えるために化学療法やホルモン療法、分子標的治療など薬物療法が大きな役割を担っています。有効な抗がん薬(抗がん剤)は数多くありますが、どれも少なからず副作用があります。いったい、なぜ副作用が起こるのでしょうか。

そもそも抗がん剤というのは、活発に増殖し続けるがん細胞の増殖過程に働きかけ、その増殖を抑えるお薬です。その作用によって乳がんの進行や再発を抑える半面、正常な細胞の中でも盛んに細胞分裂を繰り返している皮膚や髪の毛、骨髄などに影響を及ぼしやすく、これが副作用としてあらわれます。

よくみられる抗がん剤の副作用には、吐き気や脱毛など自覚できる症状と、骨髄抑制のように自覚しにくいものがあります。骨髄抑制のように自覚しにくい副作用の場合には、早めに気付くように定期的に検査を行うことや初期に身体にあらわれる症状を把握しておくことが大切です。また、吐き気や嘔吐に対しては、あらかじめ吐き気や嘔吐を抑える薬(制吐剤)を投与しておくことで症状をコントロールできる支持療法も進歩しています。

副作用には個人差があり、症状の程度やあらわれる時期なども人それぞれです。また、治療を受けたすべての方にあらわれるわけでもありませんし、すべての種類の副作用があらわれるわけでもありません。予想される副作用を知っておけば、日常生活で注意したり、工夫したりすることで、症状を抑えられることもあります。そのためにも、患者さんご自身も予想される副作用について理解しておくとよいでしょう。

また、副作用は抗がん剤の効果と比例しない、つまり副作用が出ないからといって治療効果がない、ということにはならないこともご理解ください。

薬物療法を計画通りに続け、期待される効果を十分に発揮させるためには、副作用をできるだけ予防したり、起こったときにも軽くてすむように上手に対処することが大切です。
わからないことや不安なことがあったら、遠慮せず主治医や薬剤師、看護師に相談してください。私たち薬剤師はお薬の専門家の立場から、患者さんが安心して乳がんの治療を続けられるようにサポートしています。

代表的な副作用

副作用がいつ、どのようにあらわれるかは、お薬の種類や投与方法、患者さんによって異なります。しかし、副作用の種類によって、ある程度起こりやすい時期が予想できます。
下の図は、代表的な副作用が発現しやすい時期を示していますので、ひとつの目安として参考にしてください。

なお、現在行っている治療には、どんな副作用が起こりやすいのか、詳しいことは主治医や薬剤師に相談してください。

化学療法の副作用ホルモン療法と分子標的治療の副作用

監修者略歴

北海道がんセンター 玉木慎也先生監修。

平成11年 3月 富山医科薬科大学(現 富山大学)薬学部 卒業
平成13年 3月 同大学大学院 修了
平成13年 4月 医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 薬剤部
平成16年 8月 国立病院機構北海道がんセンター 薬剤科
平成17年 7月 同院 治験管理室 治験コーディネーター
平成19年 10月 同院 治験管理室 治験主任
平成21年 4月 同院 薬剤科 製剤主任
平成28年 4月 同院 治験管理室 治験主任
平成30年 4月 同院 薬剤部 病棟業務管理主任

【所属学会など】
日本医療薬学会
日本臨床腫瘍学会
日本臨床腫瘍薬学会
日本がんサポーティブケア学会
日本乳癌学会

【認定など】
日本薬剤師研修センター認定薬剤師
日本医療薬学会 がん指導薬剤師,がん専門薬剤師

【その他】
日本臨床腫瘍薬学会 代議員
日本臨床腫瘍薬学会 メーリングリスト運営委員会 委員
日本病院薬剤師会 がん専門薬剤師部門研修委員会 委員
札幌病院薬剤師会 常任理事
札幌病院薬剤師会 がん専門薬剤師セミナー運営委員会 委員

2018年12月

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