外来化学療法とは
安心して外来化学療法を受けるために
外来化学療法を受ける際に必ず伝えるべきこと、心がけておくとよいことを紹介します。
治療前のポイント
以下に該当する場合には、治療前に必ず医師に伝えましょう。
●過去に飲んだ薬、食品、アルコールなどによるかゆみや発疹などの出現経験
●虫歯や歯肉炎、入れ歯の有無
●飲んでいる薬やサプリメントの有無
●通院手段(ご自身の運転する車、バス・電車などの公共交通手段、その他)
●治療当日までの体調変化や気になること など
服装のポイント
ゆったりとした締めつけの少ない服装
おなか周りを締めつけると気持ち悪くなることがあります。
ウエストを締めつけない、ゆったりとした服装で、リラックスして治療を受けましょう。
腕まくりしやすい服装
点滴を受ける場合には、袖口の締めつけが弱いひじの上まで楽にまくれるような服装や、袖の短いものを着るようにするとよいでしょう。
襟元のゆったりした服装
胸部に点滴ポート(注射針を刺す部分)がある場合は、襟元に余裕のある服装がよいでしょう。また、ポート部分を目立ちにくくする工夫として、襟のある服や胸元が隠れるようにストールやスカーフを巻くのもよいでしょう。

投与中の注意点
気分が悪くなった場合には
早めに伝えましょう
抗がん薬(抗がん剤)の投与直後や投与中に、気分が悪くなったり、以下のような気になる症状を感じたときは、がまんせずにすぐに伝えましょう。
例)呼吸困難感、寒気、冷汗、脈が速くなる、喉の違和感、咳や痰の出現、かゆみや発赤、むくみ感など
点滴を受けている部位に不快感がある
場合はすぐに伝えてください
点滴中に針を刺している腕を曲げたり、大きく動かしたりすると、抗がん剤が血管の外に漏れてしまうことがあります。抗がん剤が血管から漏れると、ただれたり、痛みが残ったりすることがあります。点滴を受けている部分や腕に違和感を感じた場合には、すぐに看護師を呼んでください。

監修者略歴
星薬科大学
実務教育研究部門 教授
佐野 元彦(さの もとひこ)先生
- 2001年城西大学薬学研究科薬学専攻(博士後期課程)修了
- 2004年埼玉県立がんセンター薬剤部入職
- 2006年埼玉医科大学総合医療センター薬剤部入職
- 2006年 9月~12月国立がんセンター中央病院にて研修
- 2006年埼玉医科大学総合医療センター外来化学療法センター薬剤師,緩和ケアチーム薬剤師を兼任
- 2020年5月-現在星薬科大学 実務教育研究部門 教授
- 【学位、認定など】
- 博士(薬学)
- 日本医療薬学会 がん専門薬剤師
- 日本医療薬学会 がん指導薬剤師
- 日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師
- 日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム専門療養士
- 日本緩和医療薬学会 緩和医療暫定指導薬剤師
- 日本遺伝性腫瘍学会 遺伝性腫瘍コーディネーター
- 【所属学会など】
- 日本薬学会,日本医療薬学会,日本緩和医療薬学会,日本臨床腫瘍薬学会,日本癌治療学会,日本臨床腫瘍学会,日本癌学会,日本家族性腫瘍学会,日本緩和医療学会
- 日本がんサポーティブケア学会,特定非営利活動法人 がん医療研修機構
- Symptom Control Research Group:SCORE-G
- Society of Oncological Pharmacotherapy:SSOP