手術療法監修:岡山大学病院 乳腺内分泌外科助教 枝園忠彦先生

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公開日:2014年1月30日

乳房再建術

乳房再建術とは、手術によって切除した乳房を新しく作る方法です。自分の体の一部を用いる自家組織による再建法と、人工乳房による再建方法があります。
再建の時期は下の3つのパターンがあります。
①手術で切除してそのまま自家組織や人工乳房に入れ替えて1回で完成させる
②乳房切除後すぐ、ひとまずエキスパンダー(生理食塩水の入った袋)を入れておき、その後自家組織または人工乳房へ入れ替える
③一旦乳房切除を行った後、別の日にエキスパンダーを挿入し皮膚を膨らませてから、さらに入れ替え手術を行う
また、乳房切除術だけでなく部分切除術後に乳房再建術を行う場合もあります。それぞれの病状や形成外科医の有無、施設などによって可能かどうか異なりますので、主治医とよく相談することをお勧めします。

自家組織による再建

患者さんの身体の一部の組織(皮弁)を移植する方法です。
背中の組織を移植する方法とお腹の組織を移植する方法があります。

広背筋皮弁法

背中の皮膚、脂肪、筋肉に血管を付けたまま移植する方法です。背中に傷が残りますが、背中の他の筋肉が補うので日常生活にほとんど支障はありません。ただし、採取できる組織が少ないため、乳房のボリュームが大きく欠損部が大きい場合には再建が難しくなります。また、再建した乳房の主体が筋肉となるため、移植後、使われない筋肉が萎縮し、再建した乳房が時間と共に小さくなってしまうことがあります。

腹直筋皮弁法

お腹の皮膚、脂肪、筋肉に血管を付けたまま移植する方法です。乳房のボリュームが大きくても再建しやすい方法です。お腹の筋肉を一部とるため、下腹部に傷が残り、腹筋が弱くなることがあります。お腹の手術を受けた方や、将来、妊娠・出産を希望される方には適していません。

せん通枝皮弁法

お腹の脂肪とそこに流れ込む血管を一緒に移植する方法です。乳房に脂肪のみを移植するため、術後の触感が自然になりますが、脂肪に流れ込む血管と移植後のわきの下の血管を、顕微鏡を用いてつなぎ合わせるため、高度な技術が必要です。この方法も下腹部に傷が残ります。

人工乳房(インプラント)による再建

乳房切除後にシリコン製の人工乳房(インプラント)を挿入して、乳房再建を行う方法です。自家組織による再建と比較して、乳房以外の部分には傷ができず、手術時間も非常に短くて済みます。ただ、人工乳房のサイズや形は様々ですし、人工物のため年齢による乳房の変化に伴う左右差など調整が必要な場合があります。

1.エキスパンダーに定期的に生理食塩水を注入し、組織を拡張させます。 2.拡張後、インプラントに交換する。

自家組織と人工乳房による再建の比較

手術療法を受ける前に手術療法の実際術後のケア・リハビリテーション

監修者略歴

岡山大学病院 乳腺内分泌外科助教 枝園忠彦先生

1999年 香川大学医学部卒業
1999年 岡山大学医学部 腫瘍・胸部外科(第2外科)入局
2003年 国立がんセンター中央病院 外科レジデント
2005年 岡山大学医学部大学院(外科学)卒業
2006年 国立がんセンター中央病院 がん専門修練医
2008年 岡山大学病院 乳腺内分泌外科 助教
2008年 第14回 日本乳癌学会研究奨励賞受賞
2009年 第3回 「乳癌の臨床」賞 奨励賞受賞

【資格】
医学博士
日本外科学会:認定医,専門医 指導医
日本乳癌学会:認定医,専門医 評議員
マンモグラフィー読影認定医
がん治療認定医

【学会】
日本乳癌学会 日本外科学会 乳がん検診学会 日本乳腺甲状腺超音波医学会
日本がん治療学会 臨床腫瘍学会 日本甲状腺外科学会 日本内分泌外科学会
日本臨床外科学会 日本人類遺伝学会
米国腫瘍学会(ASCO) ヨーロッパ外科学会(ESSO) 万国外科学会(ISS)

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